検証円安の功罪

    歴史的な円安が海事産業を揺さぶっています。日本の海事産業にとって円安は基本的にプラス材料ですが、行き過ぎた円安のマイナス面も顕在化してきました。超円安の功罪を分野別に検証します。

    2024年7月8日

    《連載》検証 円安の功罪⑫、海外企業の日本拠点新設・増強相次ぐ、一時のブームに終わらせず市場活性化へ

     海外の船主・オペレーターやシップブローカー・サービスプロバイダーなどの海事関連企業の日本での拠点新設・増強が相次いでいる。本紙が把握しているだけで過去約2年の間に計13社が日本拠続き

    2024年7月5日

    《連載》検証 円安の功罪⑪、船主・金融、円高へのリスク意識希薄に、為替耐久力が低下

     超円安が続いていることで、国内船主や金融関係者による将来の円高へのリスク意識が希薄になっているとの指摘が増えている。為替リスクを取る投資案件では、円ドル相場の損益分岐点における為続き

    2024年7月4日

    《連載》検証 円安の功罪⑩、舶用メーカー、収入増も資材費は高騰、海外投資の停滞懸念

     歴史的円安による舶用メーカーへの影響は、海外向けに強みを持つメーカーにとってはドル建て収入の増加というメリットがある一方、海外から輸入する部品や材料の仕入れコスト上昇がマイナス影続き

    2024年7月3日

    《連載》検証 円安の功罪⑨、国内修繕業、国際競争の好機も外国人採用に弊害、円建て主体で為替影響限定的

     ドル建て契約船の多い国内造船業は円安が収入面でプラス材料になるが、修繕事業に限るとその様相は異なる。日本の修繕ドックは日本船の受け入れが多く、調達品も船主支給が一般的なため、円収続き

    2024年7月2日

    《連載》検証 円安の功罪⑧、日本の船舶管理業、足下プラスも長期的に需要減退懸念も

     日本に拠点を置く船舶管理会社にとって円ドル相場における円安はどのように作用するか。船舶管理会社の収入である船舶管理料はドルベースであることが多く、ドル収入である多くの企業と同様に続き

    2024年7月1日

    《連載》検証 円安の功罪⑦、内航海運、物価高がモーダルシフト阻害、輸出産業向け輸送のプラス効果も見えず

     為替の円安は内航海運にも間接的に影響する。円安を一因とする物価高によって一般消費財の需要が落ち込み、フェリー・RORO船などの輸送量に影響。この状況が続けばトラックドライバー時間続き

    2024年6月28日

    《連載》検証 円安の功罪⑥、不定期船、為替と荷動きの連動性が縮小、長期的なサプライチェーンへの影響に注目

     対ドル円レートは不定期船(バルカー、タンカー、自動車船など)の日本発着の荷動きに影響し、基本的に円安は自動車、鋼材などの輸出貨物にプラスに、エネルギー・原料などの輸入貨物にはマイ続き

    2024年6月27日

    《連載》検証 円安の功罪⑤、コンテナ船、円安で輸入停滞、物量低迷に懸念、日本直航便維持へ正念場

     急速な円安進行が、日本発着のコンテナ荷動きにも影響を及ぼしている。コンテナ船で輸入される消費財などの商品価格が円ベースで上昇し、消費が冷え込んでいることも受け、足元では日本港湾の続き

    2024年6月25日

    《連載》検証 円安の功罪④、新造船市場、ドル金利高く円安活かしきれず、円換算船価は歴史的高値圏に

     外航船の新造商談はドル建ての受注が大半を占めるため、通貨安は造船業にとって業績だけでなく、新造船マーケットでも追い風になる。その一方で、足元は1ドル=150円台の歴史的円安が続く続き

    2024年6月24日

    《連載》検証 円安の功罪③、日本造船業の円安効果に明暗、中小造船所にはマイナス影響

     1ドル=150円台の歴史的円安が続き、日本造船業が息を吹き返している。主力造船所では前期決算で業績の急回復がみられ、賃上げや設備投資に対応できているのも「円安のおかげ」との声もあ続き

    2024年6月20日

    《連載》検証 円安の功罪②、邦船社、「プラザ合意」の呪縛から脱却へ、過度の円安は海外事業拡大に逆風

     為替レートは、収入の大半がドル建ての外航邦船社の業績と経営に大きな影響を与えてきた。中でも1985年のプラザ合意後の急激な円高では、日本人海上職を中心とする大規模な緊急雇用調整を続き

    2024年6月18日

    《連載》検証 円安の功罪①、国内船主、円借入が膨張、新規投資困難に、将来の円高リスクを懸念

     歴史的な円安が海事産業を揺さぶっている。ドル収入が多い海事産業にとって円安は基本的にプラス材料だが、行き過ぎた円安のマイナス面が顕在化してきた。国内船主(船舶オーナー)への影響で続き

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